文藝部
2月頭の「おっぱい」の記事以降、何度も何度もブログを書こうとは思ってはいるのだけど、きちんと文章にしたいと思えるようなことが一向に出てこない。 「あ、これ書きたい」と思っても、いざ書き始めると文章の体をなさない。多分、アウトプットばかりでイ…
敗戦とおっぱい 戦前の日本において性表現は禁止されていた。「欲しがりません、勝つまでは」の精神を説いているところに、エロが入り込む余地はない。当然水面下ではたんまり性的なものはあったはずだが、表立ってやれば「憲兵さんこっちです!」となった。…
OPPAI CHRONICLE 現代の男性たちにとって「巨乳」は「エロい」と思っていいものだし、それを「好き」だと言ってもいいものなわけだが、時代を思い切りさかのぼって「おっぱい」を見てみると、そこには驚くべき「常識」がある。部分的にではあるが(おっぱい…
先日『巨乳の誕生 大きなおっぱいはどう呼ばれてきたのか』というとんでもないタイトルの本を読んだ。しかもタイトルはとんでもないが、内容はめちゃくちゃ真面目で、非常に興味深い内容が数多く見られた。 人によってはこの記事に対して「セクハラだ」「書…
しばらく誰も話さずに、テレビの音だけが流れていた。ここ一年ほどで一気にトップアイドルグループにまでのし上がったYSP(やきそばパン)48のメンバーの一人が、芸人に囲まれて何を話せばいいのかわからないと言った表情を隠しきれずに、とりあえずの…
彼女は郷田に自分が今何に思い悩み、そのために今のようなありさまになってしまったのだ、ということを話した。「そうしたらね、彼はこう言ったの。そんなもん山のものを食えば気にならなくなる。それに俺は死なない、って」「それは、全然意味がわかりませ…
私は巻かれた糸を素早く引き、見事我が家のフローリングの上でベイゴマを回すことに成功した。ベイゴマは絶妙なバランスを保ち、静かに回っている。私と男たちはそれを静かに見守っている。今がチャンスだ、私はそう思った。男たちが気を取られている間をス…
私は無性に腹が立ち、そのあとカツカレーのLをたいらげた。途中喉に詰まって死にそうになったが、こんなところで死んでなるものかと水で流しこみ、再びかきこんだ。それでもまだ屹立した腹がおさまらない。私は肩を怒らせて食堂を出る。 食堂のある建物の前…
それから三〇分ほどして、過ぎ去った十一時よりも零時が近くなった頃、里美ちゃんが、「明日一限あるので帰ります」と言ったので、当然のごとく一番年少の森野が送っていくことになった。今日この二人は殆んど半日一緒にいたのではないだろうか、喜ばしいこ…
私はまず彼の生活領域に突如現れることから始めた。つまり、彼が生協の購買などで立ち読みしているのを見かけたら、知らぬ顔で隣で雑誌を立ち読みする。あるいは彼が食堂で友人たちや女の子と食事をしているのを見かけたら、同じく知らん顔で隣のテーブルに…
私はその時、ひょっとして奴は森の賢者か何かかと思ったものである。とにかく彼の言葉は私の腑にストン、という気持ちのよい音をたてて落ちた。それからしばらく彼の言葉をかみしめるように、小一時間ほど河原に一人坐していた。 それからしばらくして後に、…
私がそう口にした途端、香織嬢は我が意を得たりといわんばかりに口角をあげ、私の胸倉をつかんでこう言った。「上等だ」私は様子のおかしい里美ちゃんを森野が介抱しているのを見届けて、負け戦の場へと身を翻した。相手は底なし沼の香織嬢である。死なばも…
「どうした」「草さん、飯食った?」「いや、まだだが」「里美ちゃんが、カレー作りすぎたから岸田で食べませんか、やって」「頂こう」「おっけー、米持って来てくれる」「うむ、構わん。何合あればいい?」「六合ぐらいいると思う」「炊飯器はよいか」「そ…
「にしても、森野の料理はほんとに美味しいわね」そう言ったのは香織嬢である。「どうして彼女ができないんだろう」 これは岸田定番の話題である。森野は顔よし、スタイルよし、頭もよければ性格もいい、料理も美味いしスポーツもできる。服に気を使わないと…
私が貴重品の移転作業をしながら、昔の甘酸っぱい思い出に鼻先をツンとさせていると、香織嬢がスーパーから帰ってきた。「お、いいにおいだ」クンクンと、その端正な鼻先で森野の料理のにおいをかぐと、香織嬢は満足げに郷田の部屋に戻っていった。両手には…
一一月三〇日. 宙に舞ったのは皿だけではない。無論、そのうえに載っていた出し巻き卵も一回転ひねりを加えて見事頭部から着地した。憎らしいことにプラスチック製の皿は、さも私を嘲笑するかのようにふてぶてしくアスファルトに横たわっている。この予期せ…
ずいぶんまえに「昔書いた小説の手直ししてます」みたいなことを書いたんですが、それがようやく終わりました。別に時間がかかったんではなく、ただ手をつけてなかっただけです、はい……。 当初は「手直し前の原稿との比較も見たい」といってくれた人もいたん…
更新が二日も遅れてしまった。季節の変わり目で気分がすぐれない日が多く、文章がまとまらなかった…。今回はこれまでだいたい4年くらい?クラウドソーシングをやってきて「こういうクライアントは後からろくなことにならなかった」という話をしてみたい。 ま…
大学卒業間際の12月、僕はとある小説を書き始めた。当時どっぷりと入り浸っていた「西田アパート」という集まりを主題とした青春小説『岸田アパート物語』だ。ワードで150枚弱の中編小説で、バカみたいに恋したり、バカみたいに酒飲んで暴れたり、小難しいこ…
前回のポストで書いた団塊世代経営者向けの90分講演のネタを、盛大にバラそうと思う。本番ではもっと言葉遣いを丸くするのと、具体例をちょいちょい入れてわかりやすくしようと思う。あんまり内容を練るとちゃぶ台をふっ繰り返された時に鬱で寝込むに決まっ…
3月31日のランサーオブザイヤー2017のパネルディスカッションの記事を読んで、今回新たに講演の依頼を頂いた。といっても父が何十年も所属している中小企業経営者及び個人事業主のじい様サークルからの依頼だが(笑)とはいえ一癖二癖どころか何十万癖もある…
3月30日から4月1日まで上京していました。引きこもりの鈴木のキャパシティを完全に超えるスケジュールでしたが、同時にめちゃくちゃ充実した3日間となりました。30日は2年近くお世話になっているクライアント2社に、昼・夜とお会いし、今後の方針や今までの…
自分に期待していると、「その期待が裏切られたら」と不安になってしまう。自分の期待を裏切るのは自分しかいないから、誰のせいにもできない。逃げ道がないというのは、「逃げる」を信条とする僕からすれば恐ろしい事態だ。だから僕は「自分に期待しない」…
〈一の三〉「おはようございます、サカキさん」「おはようございます」高台から琵琶湖を眺めていると、三〇代らしき男性信者が声をかけてきた。あのあと私が寝入るまでじっと外の闇を眺めて考え込んでいたようだが、その結論として彼は私を神扱いするのをや…
〈一の二〉「ちくしょ〜、あのクソ作家。ぜってえ許さん」力いっぱいに部屋の扉を蹴り飛ばすと、サイトウはそう唸った。彼女は文学賞作家・サカキの担当になって今月で半年になる。その間サカキがまともに原稿を渡したのは初めの一回だけだった。前任者から…
〈一〉 宗教については大学時代に散々学んだ。哲学が専攻だったものだからどうしても宗教についても学ぶ必要があったからだ。哲学は宗教的であり、宗教は哲学的である。どこからどこまでが哲学で、どこからどこまでが宗教であるという線引きにはその実あまり…
〈プロローグ〉 ドンドンドン!ドンドンドン!「いい加減にしてくださいよ、サカキさん!」百回ほどインターホンを鳴らしたあと、五十回以上ドアノブをがちゃがちゃとした挙句、しびれを切らした編集担当のサイトウさんは怒鳴った。彼女は私よりも十歳も年下…
DeNA騒動でも関係ライターに対して「物書きとしてのプライドないの?」とかいう意見があった。これを先日、僕も直接言われた。以下その経緯である。・知り合いの専門家に「専門家の立場からオススメの映画20本紹介してくれませんか」と言ったところ、「いい…
ちょっとタイムリーな話題を書いたので、週一の更新ペースとは別で投稿します。DeNAの医療系キュレーションサイト「WELQ」。なんだかいろんな情報が飛び交っていて惑わされるけれど、結局のところ「信ぴょう性のない医療情報をあちこちからカットアンドペー…
先日、日本人が昔使っていた「青」について書いた時に、ふと自分が以前書いた「青」についての文章を思い出した。評判も良い文章だったので、ちょっと掘り起こして転載しておきたい。以下転載(修正あり) 沖縄、宮古島の海は青い。青いと一口に言っても、そ…