プロライターがウェブの文章について本気出して考えてみた結果wwwww
プロのライターがガチで選んだ、文章がうまくなりたい人が読むべきスゴ本10冊
出典:http://careersupli.jp/work/writer/
この記事を読んでいて思ったのは、「あれ、俺って文章テキトーに書きすぎじゃない?」ということ。
今日のブログはこの自分の中にふと浮かんだ、罪悪感というか危機感が出発点だ。
皆さんは、例えば「アンディー・ウォーホルに学ぶクリエイティビティとは」というお題を3000字で書いてくれ、と言われてどれくらいの時間で書き上げられるだろうか。
あるいはなんでもいいから3000字で書いてくれ、と言われればどうだろうか?
ぼくの場合だと、前者なら2時間くらい、後者なら1時間くらいかかってしまう。これがすごい人だと倍のスピードで書き上げるというのだから、世の中は広い。ただ、これを読んでいる人の中で前者で2時間、後者で1時間で書き上げられるという人はそれほど多くないと思う(というより願う)。そういう人が大多数だから、ぼくはなんとか毎日の仕事に困らないで、文章が書けている。文章を書くというのは難しいから、前掲のような記事が読まれるし、ウェブライターという仕事が成立する。
出典:http://zsnn.velvet.jp/seikatu-pasokonn/
しかし、最近のウェブの文章はとかくえげつないのも多い。文章が稚拙だというものもそうだが、驚くほど情報量が少ない(すごい、とんでもない、かの有名な、といった修飾語が極端に多い)ものや、引用ばかりでほとんどオリジナルの文章なんてないものも掃いて捨てるほどある。
しかしそういう文章でも閲覧者を稼げたり、シェア数を稼げたりするのだから、余計にウェブライターの原稿料が下がり、ウェブ記事の質も下がる。ぼくの仕事で入ってくる仕事にも、まともな記事を書くにはどう考えても安すぎる単価のものが舞い込むことがある。そういう仕事は、「なんでもいいから書いて」という依頼だと思って自分でもえげつない文章を書くことが多い。ところがそんな文章が何のクレームもなく受理されてしまうのだから、もうなんとも言えない。
出典:http://jojo-sty.seesaa.net/article/356193726.html
ところで、ぼくの友人がこんな恐ろしい情報をぼくに提供してくれた。それは「アメリカではすでにウェブコンテンツを人工知能が書き始めている」というもの。
「オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」702業種を徹底調査してわかった」
一時はこんな研究が話題になったが、多分ウェブライターのほとんどがこの「消えて無くなる仕事」の中で淘汰されていくはずだ。そんな中でぼくが「もう自分にはこれしかない」と決めてかかったこの文筆業という仕事になんとかしがみついているためにはどうすればいいのだろう。結構これはまじめな問題だ。文明国というのは遅かれ早かれ他の仕事もこういう問題に直面する。早い段階で気付けただけラッキーだろう。
WEBの文章とは、その文章である程度満足感が得られながらも、かつ読者自身が一次ソースにあたろうと思わせるような空白が必要である。
— なおとさん (@kibaranai) 2015, 7月 18
そこでぼくはこう考えた。つまりは「一次ソース=リアル」に読者自身がアプローチをかけていく「きっかけ」にウェブの文章がなるべきだというわけだ。まああんまり内容のない気づきなのだけれど、それでもこれはぼくの仕事のやり方を大幅に変えさせた。
・数字や年、具体的な人名や書籍名といった説得力のある具体性を持たせる。
・修飾語に文字数を割かない。どうしても情緒が必要だったり、強調が必要な時だけ使う。
・情報を小出しにしない。1000字あったら3〜4つは重要な論点が含まれているようにする。
少なくともこの3つは常に意識するようになった。すると誰にフィードバックをもらったわけでもないけれど、自分で自分の文章が好きになってきたし、なにより書いた記事に「イイね!」がついたり、リツイートされることが劇的に増えた。さっきのツイートをしたのは7/18だけれど、これを意識し始めたのが6月の頭くらい。その頃から考えるだけでも、ぼくの仕事の単価は着実に上がってきている(とある案件では2600円が5600円になった)。これは多分、文章が良くなってきていると捉えてイイはずだ。
ぼくは世界をとても面白いと思っている。大好きなアニメに「アイドルマスター」というアニメがあるけれど、この作品にはざっと次のような楽しみ方の視点がある。
・女の子が可愛い。
・原作は同名のアーケードゲームだが、全編オリジナルストーリーでその作り込みがすごい。
・作画が綺麗。特にライブシーンは圧巻で、髪の毛の先や指先の動き、まつげの動きにまで細心の注意が払われている。
・毎回新しいキャラクターソングが本編に挿入歌として入る上、エンディングも毎回変わる。もちろんそのアニメーションも変わる。
・全26回あるなか、厳しいスケジュールとの兼ね合いをとるため、うまく「手抜き」をしている。不自然でない静止画を入れるのはアニメでは結構難しい。
出典:http://blogs.yahoo.co.jp/kokuran72913/31096615.html
ぼくは筋トレが趣味だけれど、これも自分の筋肉が大きくなっていくという楽しみ以外にも、毎回自分の限界が超えられるとか、筋肉にいい食事を摂るために栄養について詳しくなれるとか、いろいろな楽しみ方がある。あるいはバイクにしたって、スポーツタイプやクルーザータイプ、ネイキッドタイプなどいろいろなタイプがあってそれぞれに走り味が違うので、楽しみ方はほとんど無数にある。
例えばHONDAのバイクに「ジャイロキャノピー」という車種がある。ピザの配達とかによく使われるバイクだ。簡単な説明はこちらの記事に譲るとして、とにかくこのポンコツなマシンはポンコツゆえに愛されている。このサイトには特にジャイロキャノピーへの愛が溢れ出ている。どんなものにも面白みはあるのだ。ちなみにぼくはバイクにも車にも乗らない。けれどジャイロキャノピーユーザーの、このマシンへの愛情をぼくは面白いと感じる。
出典:http://www.hal.ne.jp/hhh/canopy/
しかし残念ながらこういったことを「面白い」と感じたり、あるいはこういった面白いことを「知らない」人は多い。それはきっと「仕事が忙しい」からだろう。その忙しいなかでもさわりの面白さだけをしるために「NAVERまとめ」などのまとめサイトを見るわけだ。もちろんこういったサイトを否定するわけではないが、はっきり言ってそれでは面白さの「お」の字も堪能できていない。それを堪能するためには、ぼくのようなしょうもないウェブライターが書いたものではなく、きちんと取材をして書いた記事に当たったり、実際にジャイロキャノピーに乗ったりする必要がある。つまりは一次ソースに当たる必要がある。
「でも時間がないよ」という人が多いはず。しかしそんな忙しいなかでもそういった「自分のなかで新しい面白いもの」に当たるコストを払いたくなるような文章であれば、どうだろう。「今度の週末はBBQにいくんじゃなくて、一人でバイクショップに行ってみようかな」なんて思うかもしれない。それはきっとその文章がその人にとって世の中に新しい価値を見出すきっかけになったということだ。ウェブの文章は、こうでなくてはならない。
ぼくは次の課題を「一次ソースに当たる」ことだと考えている。ウェブの文章のほとんどは一次ソースに当たって書かれた「本物」の文章の焼き直しであることが多い。これはぼくの文章だってそうだ。面白そうなところだけを切り取って、つぎはぎして、別の面白さのある文章にする。これも一つの編集だし、キュレーションと言われるクリエイティブだとは思うのだけれど、それではいつまでたってもウェブライターはコピー量産の機械でしかない。そこを乗り越えるためには、「いつでも一次ソースに当たれるライター」であるべきだと思う。
まあ、引きこもりコミュ障にはなかなか難しいんだが……
_ _ _ コン☆
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